千里ニュータウンにお住まいのみなさまから、就学・就職・転勤などで他の地域に転居された千里ニュータウンのOB・OGのみなさまから千里ニュータウンの思い出をお聞きしています。

千里ニュータウン新千里東町の山行き

2016年4月23日(土)、新千里東町にて「第3回東町公園めぐり」が開催されました。このまち歩きには、かつて上新田地区で行われていた「山行き」を受け継ぎたいという思いもこめられています。「山行き」とは里山の恵み、自然の恵みに感謝する催しで、晴れ着姿で丘に登り、ご馳走を食べて1日を楽しく過ごすものだったとのこと。

旧上新田では、毎年4月18日に山行きという行事が行われていました。この日は、子どもも大人も晴れ着姿で丘に登り、ドジョウ寿司などのごちそうを食べて楽しく過ごしました。旧上新田の一部だった現在の新千里西町あたりの丘でも山行きが行われたそうです。子どもたちにとっては、新しい服を着ることができる嬉しい行事でした。
*豊中市市民協働部千里地域連携センター編『ぶらり千里:魅力発見ガイドブック』豊中市 2015年3月

「東町公園めぐり」は昨年までは新千里東町地域自治協議会の主催で行われていましたが、今年は地域自治協議会ではなく、新千里東町の有志が立ち上げたグループ「緑保全の会」の主催として開催することとなりました。「緑保全の会」は身の回りにある自然環境に関心を持ち、楽しむことを目的として立上げられたグループです。

「第3回東町公園めぐり」は19名が参加。参加者は新千里東町近隣センターの「ひがしまち街角広場」に集合し、まずは千里ニュータウンの昔と今を紹介する紙芝居を見せていただきました。
紙芝居は、新千里東町のSさんが『ぶらり千里』を参考にして作られたもの。絵も全て自らで描かれました。紙芝居は好評で、みな興味深く見ておられました。
紙芝居の後、東町公園に向かいました。公園ではグリーンアドバイザーのIさんから、樹木や草花に関する話を伺いました。
最後に、かつての山行きに習って東町公園の高台で参加者の1人が作ってくださったお寿司をいただきました。

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この日の「東町公園めぐり」はささやかな活動かもしれませんが、次のような大きな意味を持っていたと考えています。

1つは、地域住民の有志が行った活動である点。自分たちが大切だと考える活動を、自分たちのできる範囲で、まずやってみること。これが地域における活動の基本です。

もう1つは、千里ニュータウンの昔と今を伝える紙芝居が市民の手によって制作され、上演された点。計画された町である千里ニュータウンは、これまで計画者や研究者、専門家によって多くが語られてきた反面、住民自身によって語られることは少なかったと思います。こうした状況において、住民自らが紙芝居を作り、上演したことには大きな意味があると思います。
紙芝居とは日本の伝統文化であり、世界最小の演劇。自分たちが暮らす町の歴史を、日本の文化である紙芝居というメディアを使って自分たちで演じることは、地に足のついた暮らしの記憶の継承であるとともに、「伝える」ための工夫そのものが暮らしの文化を生み出していくのではないか。そのように考えています。
ディスカバー千里のメンバーが編集に関わった『ぶらり千里』がこうした形で地域に展開していったことは嬉しいことです。

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