千里ニュータウンにお住まいのみなさまから、就学・就職・転勤などで他の地域に転居された千里ニュータウンのOB・OGのみなさまから千里ニュータウンの思い出をお聞きしています。

UR新千里東町団地(千里グリーンヒルズ東町)の「団地まつり」に参加しました

4年ぶりの団地まつり

UR新千里東町団地(建替え完了エリアの団地名は千里グリーンヒルズ東町)で、2023年11月23日(木・祝)に団地まつりが開催されました。旧高層エリア東側工区の建替え工事とコロナ禍が重なったため、4年ぶりの団地まつりでした。会場は新設された高層住棟南側の広場で行われ、団地自治会や団地高齢者の会「エルダー東町」、高齢者の集いの場「街かどデイハウス」、ガールスカウトなどのメンバーが焼きそば、焼き鳥、おでん、綿菓子、飲み物の模擬店を出店し、団地児童会の保護者の皆さんは、スーパーボールすくいや千本引きのコーナーを担当しました。この団地まつりは地域に開いた催しです。恒例になっていた地域の太鼓クラブ「八鼓(やっこ)」の演奏が行われ、地域の住民の皆さんも子どもたちも一緒になって楽しむ光景が団地に戻ってきました。

ディスカバー千里の販売・展示と工事仮囲い展の解説

ディスカバー千里は模擬店の隣にブースを確保していただき、千里絵葉書と冊子の販売を行うとともに、「新千里東町団地ものがたり」と題した大きな本やパネルの展示を行いました。近畿大学建築学部鈴木毅研究室の学生の皆さんに販売を担当していただきました。また、旧高層棟エリア西側工区の工事仮囲いに展示中の「ひがしまちって『どんな』まち?展」をデザインした学生さん本人による説明会を、午前と午後の2回行いました。参加者の皆さんからは、「東町や団地の歴史を知ることができて良い」、「通りがかりの人が見ておられる」といった話がありました。この展示の内容をまとめた小冊子も試験的に販売しました。

UR新千里東町団地の優れた「囲み配置」

1970年に入居が始まった新千里東町団地は、日本住宅公団が初めて取り組んだ「囲み配置」の団地です。千里ニュータウンの開発主体である大阪府(企業局)は、広場(中庭)を囲む形に住棟を配置する囲み配置で団地を構成することで、中庭が居住者交流の場になるようにと考え、千里ニュータウンの府営団地のほとんどを囲み配置としました。一方、当時の公団団地はすべての住宅が南向きになるように東西に長い住棟を並べた「平行配置」を標準としていました。そのような状況の中で新千里東町団地に囲み配置が初めて導入されることになりました。
住宅公団では囲み型配置の導入に当たって、どれぐらいの戸数で中庭を囲めばコミュニティのつながりが生まれやすいか、団地全体のコミュニティのまとまりを生み出すためには中庭同士をどのようにつなぐのが良いかといった検討に力が注がれました。その結果、新千里東町団地の中層(階段室型5階建て)エリアでは、1つの中庭を囲む住棟の数や中庭の広さが大まかに決められ、住棟は中庭の四方を囲むのではなくL字型やコの字型に配置することで視線の抜け(開放感)を確保するとともに、中庭それぞれを歩行者路でつなぐことで団地全体のコミュニティを結ぶことが考えられました。L字型やコの字型に中庭を囲むために南北に長い住棟「中廊下型」が導入されました。旧高層棟エリアについても中廊下型と片廊下型(住棟北側に廊下を持つ住棟)の組み合わせによってコの字型の囲み配置とし、広い中庭を確保しました。中層棟エリアと高層棟エリアの中庭を結ぶ歩行者路のネットワークの中心になっているのが中央広場で、団地まつりはこの広場で開催されました。

今後、団地に若い世代の方たちが多く入居し、団地まつりだけではなく日頃の交流時間や屋外時間が一層充実するように中庭~歩行者路~中央広場のネットワークの考え方が尊重され、優れた団地づくり・屋外環境づくりが実現していくことを願います。