『財経新聞』に新千里北町の車止めについての記事が掲載されました。
新千里北町の“地域の宝”を地元の方々に紹介
近畿大学建築学部、近畿大学大学院総合理工学研究科(大阪府東大阪市)の建築計画研究室が、千里ニュータウンの新千里北町だけに50カ所以上点在する、動物型や幾何学型などのユニークな形の車止め(写真)の秘密を調査研究し、平成29年(2017年)1月19日(木)豊中市立北丘小学校にて、その成果を発表します。
【本件のポイント】
・地域で親しまれてきたユニークな車止めの計画原理を建築学部学生が発見
・画一的と思われがちなニュータウンの個性を“街の宝物”として地域の方に紹介
・学生の研究成果が、住民が自分たちの街の魅力を見直すきっかけとなる
【本件の概要】
建築計画研究室(担当教授:鈴木毅)では、地域団体ディスカバー千里(代表:太田博一氏)と共同で、千里ニュータウンとその歴史について調査しています。その中で、新千里北町の個性的な車止めに注目し、千里ニュータウンでも新千里北町だけの特徴であること、幾何学型に関してはオリジナルデザインであること、設置の背景や配置の規則性などを発見。画一的で面白みのない街だと思われがちなニュータウンにも、よく見ると都市建設に携わった人たちの工夫や想いがあふれていることがわかりました。
調査研究によって明らかとなった新千里北町の車止めの秘密を、“街の宝物”として地元の方々に紹介するため、建築学部学生とともに研究してきた近畿大学大学院の院生が北丘小学校で発表を行います。北丘小学校の鈴木暁子校長は、「豊かなまちづくりが50年の間に成熟・定着した千里ニュータウンで、車止めをヒントに地域住民が自分たちの街を見直し、次の50年を考えるきっかけにしたい」という思いでこの講座を企画しました。
■日 時:平成29年(2017年)1月19日(木) 10:30~11:30
■会 場:豊中市立北丘小学校 多目的室(大阪府豊中市新千里北町2丁目19-1)
(御堂筋線直通・北大阪急行線「千里中央駅」から徒歩約15分)
■対 象:保護者と地域の方々
■発表者:太田博一(おおた ひろかず)((株)太田博一建築・都市デザイン、ディスカバー千里 代表)
武部俊寛(たけべ としひろ)(近畿大学大学院総合理工学研究科 環境系工学専攻 修士2年)
【新千里北町の車止めについて】
設置時期:昭和41年(1966年)頃
設計者:不明。新千里北町の主要設計者が車止めのことを把握していないことから、現場で実際に工事を担当した者たちのアイデアで設置されたと思われます。
設置理由:千里ニュータウンは、日本初の大規模ニュータウンとして昭和35年(1960年)にマスタープランが決定され、各住区は計画を見直しながら順番に開発が進められました。開発が進むごとに車道・歩行者道路の配置も進化し、新千里北町の開発の際には、ループ道路によって住宅地を区画することでスムーズな動線がつくりだされました。しかし、これによって車が歩行者道路に誤進入しやすくなるため、その解決策として車止めが設置されました。その時、おそらく子供たちに親しみやすいようにと、遊具の動物や独特の形が選ばれたのだと考えられます。
*「千里ニュータウンの車止めの秘密を発表 新千里北町の“地域の宝”を地元の方々に紹介」・『財経新聞』2017年1月16日