千里ニュータウンにお住まいのみなさまから、就学・就職・転勤などで他の地域に転居された千里ニュータウンのOB・OGのみなさまから千里ニュータウンの思い出をお聞きしています。

『ディスカバー千里だより』No.7(2020年1月20日号)

PDFファイルはこちら

東丘公民分館創立50周年記念

豊中市には全国的に珍しい公民分館という仕組みが小学校区ごとに設けられています。地域住民が主体となり、地域の様々な場所を利用して生涯学習や文化活動などを行う仕組みで、新千里東町(東丘小学校校区)の公民分館が東丘公民分館です。
2019年9月21日(土)、千里文化センター・コラボで東丘公民分館創立50周年記念式典と、パネルディスカッション「分館活動を振り返り、次世代に引き継ぐ」が開催されました。
パネルディスカッションでは「ひがしまち街角広場」の移転のこと、歩行者専用道路の手入れのこと、住民の地域参加のこと、第八中学校を盛り上げること、住民が作り上げてきたものを継承することなど、現在の新千里東町にとって重要なテーマが議論されました。
会場に見えたのは来賓を含めて50〜60人。高齢の世代から、子育てを終えた世代、ピンク色の襷をつけた東丘小学校のPTAの役員をはじめとする子育て中の世代、そして、大学生など幅広い世代の参加がありました。新千里東町で生まれ、子ども時代に「ひがしまち街角広場」に水を飲みに立ち寄ったり、「東丘ダディーズクラブ」のカレーパーティーに参加したりしていた世代が大きくなり、このような場に出てくるようになった。千里ニュータウンはまちびらきから50年が経過し、三世代の街になったことを実感しました。
ディスカバー千里は、新千里東町の情報や歴史を伝えるための資料を会場に展示したり、新たに新千里東町の年表を作成したりすることで、この日のパネルディスカッションに協力しました。

コラボ2坪マルシェ

2019年9月19日(木)〜21日(土)の3日間、「コラボ2坪マルシェ」に出店しました。「コラボ2坪マルシェ」は、千里文化センター・コラボで2018年1月から試験的な試みとしてスタートしたもの。「既存の市民活動の支援」と「新たな市民活動の芽を育てる」ことで、「千里文化センター“コラボ”の賑わい創出」と「地域活性化の機縁」とするために、千里文化センター・コラボ正面玄関前の小部屋を、市民活動団体に開放することで、市民活動団体の活動紹介の場にするという試みです。
会場では千里中央の新旧写真、千里中央の年表、千里丘陵の自然史のパネル、千里ニュータウンに関する雑誌、そして、東丘公民分館創立50周年記念にあわせて新たに制作した新千里東町の年表などを展示しました。
「コラボ2坪マルシェ」では「成果物や活動資料を団体の活動資金とするため、廉価で販売することも可能」とされており、これまで刊行した『千里ニュータウン・ウォークガイド』、『新千里北町くるまどめ』の冊子、千里の絵葉書の販売も行いました。
足を止めて千里中央の年表を眺めている方、ディスカバー千里のメンバーの話を聞きながら千里丘陵の自然史のパネルを眺める方、千里中央の新旧写真を掲載した本をスマートフォンで撮影する方、千里ニュータウンに関する雑誌を手にとって読む方などを見かけました。かつてせんちゅうパルにあった「地球縄ひろば」(環境芸術家/彫刻家の八木マリヨ氏による「千里地層形成物語・地球縄ひろば」)の写真を見て、息子を縄広場で遊ばせたことを思い浮かべ涙を流している方もおられました。

自治体シンクタンク研究交流会議のエクスカーション

2019年11月8日(金)・9日(土)、千里文化センター「コラボ」で第7回自治体シンクタンク研究交流会議が開催されました。自治体シンクタンクのあり方や共通課題の改善方策などについて議論し、相互にネットワークを作りあげることを目的として、毎年各地で開催されている会議です。
ディスカバー千里は、11月9日(土)の午後に行われたエクスカーション「東町まち歩き」のガイドを担当しました。「東町まち歩き」では新千里東町の分譲マンションの建替えやコミュニティの状況を中心に説明しました。また、新千里東町が緑豊かな「歩いて暮らせるまち」であることを感じていただけるコースを考えました。

第15回千里ふれあいフェスタ

2019年12月7日(土)に第15回目が開催された「千里ふれあいフェスタ」は,第八中学校の校区である新千里北町と新千里東町の小中学校・地域・家庭の結びつきを深めるために、八中校区地域教育協議会が主催する八中校区特有の催しです。
フェスタのチラシには次のように書かれています。

「当初は八中フェスタと銘打ち、子どもたちが清掃活動を行い、そのご褒美として焼きそばをふるまうイベントとして始まりました。年を重ねるごとに模擬店や舞台発表が加わり、今では地域の皆様にも楽しみにしていただける交流の場となっています」。

現在も、八中おやじの会のメンバーが大きな鉄板でつくる焼きそばは、フェスタの名物です。
ディスカバー千里のグッズ販売のメインは、建替えによってまもなく完全に取り壊される府営新千里東住宅と2年半後に取り壊される予定の東町近隣センターの写真の絵葉書で、この新作を中心に絵葉書を展示・販売しました。新作絵葉書の写真は昨年のフェスタで人気投票を行って決めたものです。そのほかに,「新千里北町くるまどめ」と「千里ニュータウンウオーク・ガイド」の冊子を販売。展示は、千里丘陵の歴史パネルや千里ニュータウンの歴史・暮らしをまとめた「大きな本」など。新千里東町は集合住宅の建替えが進んでおり、最近転入して来られた子育て世代の方たちが多いこともあって、お子さん連れでパネルを熱心にご覧になっている姿が多く見られ、ディスカバー千里のメンバーへの質問も活発でした。
「千里ふれあいフェスタ」は、2つのまちの人たちが顔見知りになる、顔見知りに出会う場になっています。

東丘公民分館文化祭

2019年11月9日(土)・10日(日)、東丘小学校の体育館で東丘公民分館主催の文化祭が開かれ、絵画や手芸、小中学生の図画などの多くの作品が展示され、会場は作品鑑賞の人たちでにぎわいました。ディスカバー千里は、千里丘陵の自然史と、新千里東町の年表の2つを出展しました。
千里丘陵の自然史のパネルをご覧になった方の多くが、千里丘陵が80万年前の地殻変動で隆起してできたことや、縄文時代には丘陵の南側まで海だったことを知って驚かれたようです。
新千里東町の年表パネルをご覧になったニュータウン第一世代の住民の方からは、「東町で最初に建った団地に入居したときには周辺に丘陵の山林が残っていて、夜は真っ暗で怖かった」、「建設前の千里中央は湿地のようなところで、踏み板を敷いた通路が設けられていた」などの思い出話を聞くことができました。年表に書かれた出来事をたどりながら、街の姿やご自身、ご家族の思い出や変遷を重ねておられるようでした。

新千里北町「畑のある交流サロン」定例会兼忘年会

2019年12月8日(日)、北丘小学校の空き校庭・空き教室を活用した住民参加の野菜づくりと交流の場「畑のある交流サロン」の定例会兼忘年会に参加させていただきました。
会場の北町会館に集まったのは、サロンのメンバーの幼稚園児や小学生、そのお母さん・お父さん、畑作業の中心的担い手のベテラン住民の皆さん、合わせて30数名。今年の作業の振り返りと来年の計画の発表のあと、収穫したての小芋、とうがん、ネギなどを使った豚汁やサラダ、どんぐりクッキーなどをいただきながら、子どもたちのダンスや創作クイズを楽しみ、地域自治会長さんのサックス演奏で盛り上がりました。
子育て世代の方たちの挨拶の中で、畑作業についてつぎのような感想がありました。

  • うちの子どもは来年春に小学校に入るが、サロンに参加しているお陰で小学校はすでに親しみのある場所になっている。
  • 小学生の子どもと一緒に畑仕事に参加している。自分は野菜づくりをしたことがないのでいい経験になっている。
  • 農業体験は楽しい。子どもたちは家族だけではなく、年配の方たちと話しができ、皆さんにかわいがっていただいていてありがたい。

このように、新千里北町では、住民同士が育む多世代交流の興味深い実践が進められています。

連載コラム:千里発見

[第3回]歩いて暮らせる街から20年

(田中康裕)

2000年、新千里東町が建設省(現・国土交通省)の「歩いて暮らせる街づくり事業」のモデルプロジェクト地区に選定されました。既成市街地の中で、ニュータウンが選定されたのは新千里東町だけです。
「歩いて暮らせる街づくり事業」では、①多世代居住のための多様な住宅を、②学校をコミュニティの場へ、③近隣センターを生活サービス・交流拠点へ、④千里中央を地域の生活・文化拠点へ、⑤公園を緑の交流拠点へ、⑥緑道を出会いのある交流空間に育てよう、⑦交流とまちづくりのための場と仕組みを育てようの「7つのまちづくり提案」がまとめられ、②、③、⑥は社会実験として取り組むことが提案されました。それが、②東丘コミュニティールーム、③ひがしまち街角広場、⑥アダプトロードの清掃として実現することになります。
歩いて暮らせる街であること。これは、新千里東町、そして、千里ニュータウンが全国に誇れる価値です。
「歩いて暮らせる街づくり事業」からちょうど20年。近隣センターの移転・建替が進められる今、「7つのまちづくり提案」のバージョンアップが求められているのかもしれません。


■千里ニュータウンのレクチャー、ガイドツアー(要資料代)を行います。詳細はお問合せください。

■メンバーが執筆した書籍が刊行されました(書店にてご購入いただけます)。